今の就活と「親の時代の就活」は全く違う
今の就活と「親の時代の就活」は全く違う
決めつけで子供に指摘をするとえらい目に・・・・
自分の子どもがどんな企業に就職するのか、まったく関心がないという親はいないでしょう。
「できるだけいい会社に就職してほしい」と願うのは当然です。
どうして早稲田大学まで行って、無名の企業に就職するの?!
という親の反対から内定承諾を迷う学生も多いという相談が実際に聞こえてきています。
しかし、実際に無名のベンチャー企業のどこが嫌なのか聞くと、明確な答えがないような親も多く
知らないというだけで、漠然とした大手=安定という方程式のもと、判断している節があるように思います。
確かに大切に育ててきた子供の将来を心配するのは当然です。
就活生を持つ保護者が誤解している注意ポイントをまとめたので
わが子に対するサポートを考える一助になれば幸いです。
バブル期ほどの売り手市場ではない
誤解ポイント1 昔と今の「売り手市場」は違う
現在、大学3年生で就活に取り組んでいる子どもを持つ親の年齢は、平均すると50歳前後になるでしょう。
おそらく1968年ごろの生まれで、自身が就活をしたのは1990年前後。
当時は「バブル経済」という言葉が新語・流行語大賞の流行語部門で銀賞を受賞するほどの好景気。
リクルートワークス研究所が毎年発表している大卒求人倍率調査の大卒求人倍率は、1990年に2.77倍、
1991年に2.86倍という驚異的な数字を記録。
就活生にとってはまさに“わが世の春“と呼べるほど就職環境が良かったはずです。
そのころと比較すると、確かにここ数年も「売り手市場」とは言われているものの、
同調査の2019年3月卒の求人倍率はそれでも1.88倍にとどまっています。
親世代の就活のほうが空前の売り手市場だったと言えるのではないでしょうか。
さらに現在の就活は、いくら人材不足や採用難と言っても、
希望すればどんな会社にでも入れる、というわけではありません。
親が望むような大手企業に関してはむしろ人気が集中しています。
この調査では、従業員規模別の求人倍率も公表しているが、300人未満の中小企業は9.91倍と高倍率な一方、
5000人以上の大企業は0.37倍と倍率が低く、就活生にとってはかなりの競争率となっています。
内定を獲得するためには万全の準備が不可欠であるということは言うまでもありません。
誤解ポイント2 就職で偏差値だけでは通用しない
たいていの学生は、大学に進学するまで、偏差値を基準に進学先の選択をしてきたはず。
自分の成績や学力に見合った学校か、自分の実力より少し上のレベルの学校を目指すことが普通でした。
しかし、「就職では偏差値は通用しない」と、考えておいた方がいいです。
偏差値の高い大学に通っているからといって、大手企業に入れるわけではないし、
有名大学の学生だからといって優遇されるわけでもない。
それはなぜか? 企業が人物・能力重視の採用を行っているからです。
「2019年卒マイナビ企業新卒採用予定調査」(2018年2月調査)によると
企業が選考時に重視する項目として、主体性(83.1%)や実行力(59.0%)が上位に入り、
面接時には、「明るさ・笑顔・人当たりの良さ(60.4%)」、「入社したいという熱意(44.8%)」、
「素直さや伸びしろ等の成長可能性(41.6%)」が重視されています。
対照的に「地頭の良さ(9.4%)」や「技術的・専門的な知識(5.4%)」は、面接時には重視されないことも。
そうは言っても「”ターゲット校採用”とか”学歴フィルター”が存在するのでは?」と
疑心暗鬼になる人も少なくないでしょう。
確かに大量のエントリーが集中する人気企業の一部では、
効率的な採用のため特定の大学からしか採用しない企業もあります。
もちろん、選考時に筆記試験が課されることが多いので基礎学力は不可欠だとしても、
これまでと同じように偏差値を基準として志望企業を選ぶのは要注意です。
誤解ポイント3 就活コストが大きな負担になっている
「2019年卒マイナビ学生就職モニター調査」(2018年6月)によると、
就活で不安に思う要因の第1位が「志望企業から内々定をもらえるかどうか」で55.4%、
第2位が「面接でうまく話せるか」(48.8%)となっているが、
続いて第3位に入ったのが「交通費など金銭的負担が大きい」(43.1%)こと。
就活生にとっては就活費用が大きな重荷となっていることがわかります。
具体的な金額としては、3月~7月の5カ月間の累計で、平均11.0万円(マイナビ学生就職モニター調査)。
これは都市部の学生を含めた平均値だが、関東や東海、関西地域を除く学生に限ると、
15.7万円とハネ上がります。
都市部での就職を希望する地方学生の場合には、交通費などさらに大きな負担になっているようです。
もちろん、3月より前にリクルートスーツやバック、ビジネスシューズといった費用もかけているはずで、
さらに、会社説明会や面接などが続くと、アルバイトをする余裕もなくなってきます・・・。
それなりの就活資金を準備しておかないと、就活そのものにも支障をきたす危険性があります。
こういった実情を考えると、せめて3月から内定が決まる4~5カ月の間は、保護者による就活資金の援助があると
学生にとっては非常に心強い助けになるに違いありません。
誤解ポイント4 就活の進捗は1人ひとり違う
今、日本企業の採用活動は、大学3年生(大学院1年生)の3月にスタートして、
大学4年生(大学院2年生)の6月から面接開始、順次内定が出るというスケジュールになっています。
しかし、これは経団連に加盟している大手企業の場合で、外資系企業は大学3年の冬に内定が出るケースもあれば、
中堅中小企業の場合は、4~5月あたりに内定が出るのも珍しくありません。
また経団連に加盟している企業の中でも、業界によって応募書類の締め切りや面接のタイミングは違うし、
募集職種によっても進み具合は異なってきます。
学生によって就活の進捗はまったく違うので、他の学生と比較して「まだ内定出ないの?」や
「〇〇さんはもう内定出たみたいだよ」といった発言をするのは、避けるべきです。
もちろん、就活がうまくいかないからといって、アドバイスのつもりで「資格でも取ったら?」とか
「公務員でも受けたら?」と不用意に発言するのも気をつけたいところ。
なかなか内定が出ないのを見かねて、「就職しなくても1人くらい食べさせていけるよ」と、
安易に”逃避”を手助けしてしまう保護者もいると聞く。もちろんこれもおすすめできません。
いずれにせよ、誰も正解を教えてくれない就活で、
何とか納得のいく就職先を見つけようと懸命にがんばる子どもを応援し、励まし、
支えられるのはやはり保護者しかいないのです。
くれぐれも、「過保護・過干渉・無関心」にならないように。
子育ての最終仕上げの心づもりで支えてあげてほしいと思います。
未来を作るネクストリーダーのためのキャリアサイト:パッションナビ