転職先としてベンチャー企業を考えるにあたって

大手志向とベンチャー志向

社会人として初めてのキャリアを大手企業で歩み出した場合、 その企業で定年まで勤め続けるケースが多いように思います。逆にベンチャー企業でキャリアを歩み出した場合、ひたすらベンチャー業界を歩み続けるケースが多いように見受けられます。

やはり基本的な志向として、大手志向とベンチャー志向に分かれる傾向が強いようです。そのような志向の背景にはそれぞれに対するイメージが存在するのではないでしょうか。

志向の背景にあるもの

大手企業は、年功序列、動きが遅いなど、ベンチャー企業は、実力主義、成長が早いなどがよく聞かれることですが、果たして本当でしょうか。大手企業であろうが、ベンチャー企業であろうが、仕事に対する姿勢は基本的には変わらないはずです。大手企業志向かベンチャー企業志向かは各個人の考え方、適正によるところが大きいと考えられます。

志向を形づくる考え方、適性が育まれるのは義務教育であったり、高等教育での過ごし方が少なからず影響を与えているといえるかもしれません。

転職回数

ベンチャー企業といってもさまざな業界に多くの職種があるため、転職を繰り返すことで実は多くの経験を積むことができます。とはいえやみくもに転職を繰り返すことはキャリアアップにつながらず、年収の伸びが抑制されるひとつの要因となってしまいます。

転職のメリットとして年収アップがよく取り上げられていますが、実は転職する毎に年収が低下してゆくというデータもあるほど、転職するときには慎重に考える必要があります。一般的に転職回数が多いほど人事担当者の印象は悪くなりますが、ベンチャー企業の場合は人事担当や面接担当が社長や役員など要職に就いているケースが結構ありますので、社長自身が転職を繰り返していた場合などは、また違った印象を与えるはずです。このようなケースは大企業ではほぼあり得ないことですので、ベンチャー業界では転職回数が一般的に与える印象とは少々違った見方をされるケースも多いのではないかと思います。

転職にあたって

環境を変える転職ではなく、キャリアアップをするための転職となるように心掛けることが重要です。

大手企業など組織や規定などしっかりしている環境で仕事をする立場はなかなか簡単に手に入れられるものではありません。そのような環境で働いていた方がベンチャー企業に転職した場合はどうでしょうか?あまりになにも整備されていないことに驚くかもしれません。見積りを作成しようと思ったら雛形がないことに醒めてしまうかもしれません。

このようなことに対していちいち過剰反応してしまう方は、ベンチャー企業への適性が身についていない可能性があります。逆にこのような場合に自分がやってやろう、という思いを抱ける方はベンチャー企業への適性は十分かもしれません。なぜなら、ベンチャー企業で働いていると自分で動かなければなにも進まないケースが多々出てきますので、他人に任せていたらいつまでたっても何も進まない状況となることが必至です。

ベンチャー企業への転職

上述の内容を踏まえて、自らベンチャー企業に転職したいと思った方は是非とも行動に移してみましょう。

ベンチャー企業は業界は多岐にわたり、企業規模も大小さまざまです。いろいろな企業を調べてみて魅力的なサービス、事業、職種を探しましょう。オンリーワンのサービスを展開している企業が魅力的だったとしても、その他にも気になる企業を見つけておきましょう。ベンチャー企業はそれぞれ独特の雰囲気をもっている場合もありますので、事業が魅力的でも必ずしも自分自身にあう環境とは限りません。またあまりにも福利厚生面を重視しすぎるのもNGです。まだまだアーリーステージの企業です。福利厚生面も含めて自分がつくってしまうくらいの意気込みで臨みましょう。