リクルートに学ぶ採用活動成功法。書類選考は機会損出?!自社の採用手法を見直すべし。
リクナビを運営する、リクルート。
毎年、就活生からも人気で、数多くのエントリーを集めていることはご存知ですね。
一体採用のプロはどのような採用手法をとっているのでしょうか。
■エントリーシートなし
――エントリーシートはどんな内容ですか。
「最初の段階では、エントリーシートの提出はありません。
面接が進んだら、複数の企業の応募に使えるリクナビの『オープンES』を出してもらうタイミングがあります。
分社前のリクルートの頃もエントリーシートはありませんでした。
学生はリクナビに基本的なプロフィルを記入して応募する。
その後、こちらから電話をかけてまず会う、という流れでした。今も基本はそうです」
「原理原則として『まず会いたい』のです。
合否の判断はエントリーシートではできない、会ってみないと分からない、というのが本音です。
膨大なエントリーシートを書くのは負担に感じる学生もいるのでは」
まず書類選考とかしている会社も多い中でなかなか機会損出になってしまっている企業も多いのではないでしょうか。
実際に、あってもいないのに志望動機を書くって本当に難しい。
私自身、完璧な履歴書を書く自信はありませんでした。笑
■学生に「とにかく会う」
――「ルーツ」について教えてください。
「社員と学生が会う場は、『ルーツ』とOB・OG訪問のみです。
大学主催の企業説明会には出ていません。
説明会といっても、会社側が自社の宣伝をする場ではなく、
社員と学生がフラットな関係で話す場を用意するのが大切だと思っています」
「『ルーツ』は2015年に始めました。
学生2、3人に社員が1人ついて、過去のどん底体験や大切にしてきた価値観、将来なりたい姿について2時間かけて話します。
業務の内容は話しません。
社員と学生あわせて200人ほどの、このイベントを5月のエントリー締め切り直前まで計30回ほどやります」
――「SPI」を選考過程でどう使っていますか。
「リクルートキャリアとして求める仕事、業務を遂行する上での必要な能力があるかどうか、
一定の水準で見ています。
ただ、SPIは選抜の手段というよりも面接官の補足ツールです。
たとえば、『この学生は内気だな』と分かったら、回答しやすいように質問してみよう、というように使えます。
当社では、むしろ配属を決めるときに利用します。上司との相性なども分かりますから」
足切り要素だけで使用するのではなく、補足ツールとして活用している企業は少ないのではないでしょうか。
この目線は覚えておきたいところですね。
■知りたいのは「何を大事にしてきたか」
――6月からの面接のやり方を教えてください。
「時間は大体1時間、回数は人によって違います。
効率は悪いですが、短い時間では分からないこともあります。
合否に迷ったら、もう一度会ってみる、というのが原則です」
――面接では、どんな質問をするのですか。
「決まった質問はまったくないので、人によって違います。
ただ、基本的には、その人がどんなふうに生きてきたか、何を大事にしてきたのかを問います。
何をやってきたか、も聞きますが、裏側にある『なぜ』を深掘りします。
実績の大小ではありません。
主将だからすごいのではなく、なぜそこまで頑張ったのか、どんな葛藤があったのか、
『その人らしさ』につながるものを知りたいのです。
面接の最後には、合格か不合格かを問わず、その場で感じた学生の持ち味を必ずフィードバックします」
「志望動機のような質問は、基本的にはしません。あまり重要ではない」
■面接は「リクルートスーツ」でなくても
「『自分は内気だ』と思っている学生でも、深掘りすると、とても自発的な人だったということはよくあります。
だからこそ、面接に時間をかけている。
分からないと思ったらもう一度面接する。それほど、人を見るのは難しいと思います」
「本来、自分の持ち味を自覚して生きていれば、人間はパワフルな生き物です。
就職活動は合否があるので、どうしても自分を偽ってしまうときがある。
しかし、学生には『自分らしくていいのだ』ということを、採用活動のなかで伝えたい。
面接では服装も自由です。
もしサンダルで来たら理由を尋ねるかもしれませんが(笑)、それも人となりを知りたいからなんです。
面接を、自分らしさを知るきっかけにしてもらえればいいなと、いつも思っています」
これ、非常に共感します。
スーツで身構えて話しにくくなっちゃうくらいなら私服で自分らしく話して欲しい。
逆に私服に迷いすぎて選べない〜なんて焦るくらいならスーツで来ればいい。
意外と格好はどうでもいいかも。
まあ、TPOや雰囲気に合わせて柔軟に対応できる要素は持っていて欲しいですけど。
■内外でインターンシップ、採用とは無関係
――インターンシップは実施していますか。
「実施していますが、採用とは完全に切り離し、学年も専攻も不問にしています。
大きく分けて、9月に実施する海外インターン『GLIP(グリップ)』と、
12月と2月に行う国内インターン『SPIRIT(スピリット)』の2つです。
グリップは12年から始め、去年と今年はミャンマーに行きました。
スピリットは15年から始め、2月は宮城県女川町に行っています。
どちらも1週間ほどの間に現地で地域や企業が抱える課題を考えるのですが、
その過程で学生自身にも自分の大切にする価値観やキャリアについて考えてもらいます」
全くの無関係かどうかは怪しいところ。
いい子がいれば繋がるのは間違いないでしょう。
でも下記のコメントは本当に素敵。
共感します。
――採用に関係ないのなら、目的は何ですか。
「最大の目標は、社会の環境が大きく変わる今、
次世代のリーダーとして必要な自分の思いをみつけてもらうことです。
外的スキル、いわゆるロジカルシンキングのような能力を育てたいわけではないんです。
国内、海外とも30人ほどの参加者が6人くらいの班になり、
メンターの社員と振り返りをする時間を多く取って、自分と向き合ってもらいます」
「インターンを通じて、学生にリクルートキャリアを知ってもらい、
ブランド認知度が上がるのも、もちろんメリットです。
結果的にインターンを経て入社した学生もいますが、選考は一からです」
(松本千恵)
いかがでしたか?
リクルートの採用のうまさの理由が少しだけわかりましたか?
自社の採用も日々試行錯誤で改善が大事です。
売り手市場に拍車がかかる今、採用成功するためには努力が必要です。
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