親の反対で内定辞退は防ぎたい。企業の対策まとめ
親の反対で内定辞退は防ぎたい。企業の対策まとめ
最近、新卒採用において「親が反対している」という理由で、
学生が内定を辞退するケースが増えているという話はよく耳にしますね。
自分の就活時は全く親に就職先について相談したこともなかったので、
しばらくこの流れに抵抗がありましたが、今やそれが当たり前の時代。
うまく時代に合わせて対応していく必要があります。
『オヤカク(親確)対策』をする企業も増えているようです。
『オヤカク(親確)』とは、学生に「ご両親は弊社に入社することに賛成してくれていますか」と確認したり、
時には企業側が親御さんに直接、内定承諾の確認を行ったりすることです。
学生本人が入社を希望していても、親が内定先企業に何かしらの不満を持っていると様々なトラブルが起こることがあります。
今回はそのオヤカク対策について詳しく調べてみました。
実際にあったご両親トラブル
- 入社後にご両親が「こんな遅くまで働かせるのはおかしい」と勤務時間にクレームをつけてきた。
- 内定後ご両親から「経営は安定しているのか」という問い合わせの電話があった。
- 本人から連絡なく退職届が郵送で届き、退職の手続きをすべて親が行った。
- 上京した社員を戻すために、毎週のように週末社員の家に訪ねてきた。
- 新入社員に対し、ご両親が「会社を辞めて戻って来い」と言い続け、精神的負荷をあたえた。
このように子供の就職にまで親が出て来る背景として考えられるのは、
現在は少子化で1人っ子も多いため、子供の教育や将来に関心の高い親が多くなったり、
学生の母親が現役で働いている、もしくは以前にバリバリ働いていた経験を持つ人もいたりするため、
自身の時代を踏襲した考え方が固まっている可能性が挙げられます。
2015年卒業マイナビ学生モニターの調査も
半数の学生がご両親の意見を就活の参考にするというデータが出ています。
学生の心情としては、親御さんが1番自分を理解してくれている存在であり、
一番身近な社会人の先輩としての意見を聞きたいという想いがあるのでしょう。
親にいちいち相談しているような学生は採用したくない・・という企業の本音もよく聞きますが、
しかしこれが半数となると話は変わってきます。
いかにこのような学生とうまくつきあっていくか、採用していくかが重要になってきますね。
ちなみにご両親が企業を選ぶ軸についてもマイナビさんのデータによると、
「本人の能力・専門性を活かせる会社」が45.2%
「経営が安定した会社」44.9%
公務員や有名企業であれば60%以上が賛成しますが、
設立間もないベンチャー企業に賛成する親は11.0%で大手安定型を望む傾向が高いことがわかります。
オヤカク対策として
ご両親が心配しているのは、自分たちの子供がその会社に入社して幸せになれるかどうか。
なので、安定しているのか、拘束時間は無駄に長くないか、など気にしてくるのです。
ご両親に安心してもらうには、自社がどのような会社なのかをきちんと理解してもらうことが大切です。
各企業では下記のような対策を行っています。
オヤカク対策の例
- 会社案内の送付
- 採用ページに「親向け」ページを開設
- 内々定受諾後に親向けに手書きの手紙を送付
- 内定式の写真を親向けに送付
- ご挨拶に訪問する
- 親向けの会社説明会の実施
- 内定者懇親会に親同伴で出席してもらう
- SNSでご両親向けに企業の情報を発信。
親御さんは安定と安心を企業に求めています。
これは内定者の人数や企業規模によって実現可能かそうでないかは変わってまいります。
また、企業のトップ自らが「大事なお子さんを私たちに任せてください。大切に育てます」という決意を
見せることも大切です。
オヤカク対策は、内定辞退を防止したり、入社後のトラブルを回避したりすることはもちろん、
離職率を下げることにもつながります。
GWやお盆などの長期休暇のタイミングなどで帰省した際に
学生が転職を考え始めた時に、引き留めてもらう効果が期待できます。
そういえば、オヤカクの認識は全くありませんが、
当社も社内イベントで花火大会や合宿を、私の実家・茨城で開催することがあります。
実際に社長や社員と家族が触れ合ったことで、「いい人たちに出会えて恵まれてるわね。」と言われた記憶があります。
相談も何もせずに、自分で好き勝手やらせてくれている両親にも感謝しつつ、
結局思うところは、大手に入ろうが、ベンチャーに入ろうが最後覚悟を決めるのは自分自身ということ。
この会社に入ってよかったな〜と思えるようにするために努力あるのみ、だと考えています。
ご両親から入社を反対されている学生に対して、
「自分の意思はどうなのか」「入社後に何がしたいのか」
一緒にご両親を説得できるように企業も努力するよという意思表示はしつつ、
学生自身がその意思をご両親に伝えることも重要です。
そして、最後はハッピーエンドになるように
その子自身の人生を預かったことに責任を持って育てていくしかないのだと思います。